はまぐり

ハマグリは、長さ8cm、幅3.5cm、高さ6.5cm程の丸みを帯びた三角形の貝殻を持ち、よく成長したものでは長さが10cm以上になる場合もあります。主に熊本県産のものが流通していますが、ひな祭りなどハマグリを食べる時期を除けば、輸入品であるシナハマグリの流通量に比べると極めて少量です。明治期の東京湾は、ハマグリの一大産地でありましたが、昭和後期にはほぼ全滅してしまいました。2012年、環境省レッドデータブックでは、新たに絶滅危惧種Ⅱ類に指定されました。
ハマグリの栄養分は良質なたんぱく質を含むほか、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などの普段不足しがちなミネラルが豊富です。また、疲労回復に効果のあるタウリンを含むのも特徴です。タウリンは水に溶けやすいので汁ごと食べられる料理法がおすすめです。
ハマグリは年間を通じて出回りますが、2~3月が旬な時期です。おいしいハマグリは貝殻の口がかたく閉じているもの、殻の表面につやがあるものが新鮮な証拠です。貝どうしをぶつけたとき、金属製の澄んだ音がするものを選ぶと良いでしょう。
うまみを十分に引き出したい汁ものなどでは、水から入れて火にかけるとよくダシがでます。昆布だしを加えると、うまみ成分の相乗効果でよりいっそうおいしくなります。湯が煮立ったところに入れたり、煮すぎたりすると身がかたくなってしまうので注意が必要です。うまみたっぷりの貝は、ダシがよく出ると同時に、灰汁もたくさんでます。沸騰して灰汁が出たら、小さい灰汁すくいを使い、手早くしっかり除いて、調理しましょう。

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