カマスの魅力と旬の味わいを楽しむ、春の新鮮なレシピ
目次
カマスの魅力と旬の味わい
カマスとは、多様性に富むスズキ目カマス科の魚で、アカカマスやヤマトカマスなど、日本では特に親しまれている種類です。世界的に見ても、太平洋や大西洋、インド洋など広範囲に分布しており、そのため比較的安価で手に入る魚として知られています。しかし、このカマスには、その見た目や特性だけではなく、味わいにも注目すべきポイントがあります。
独特な形状と命名の由来
カマスの最も特徴的な点は、その細長い体形です。大きく開く口は、下あごが少し突き出しており、日本ではこの形状が「叺(カマス)」と呼ばれる大きな袋に似ていることから名付けられました。また、鋭い歯を持ち、攻撃的な性質を有しているため、釣り上げる際には注意が必要です。
カマスの味わいと誤解
カマスが「まずい」と誤解されることもありますが、実際はどのような味わいなのでしょうか。カマスは、若干の水っぽさがあるものの、柔らかな白身が特徴で、塩焼きや干物、素揚げなどの調理法でその美味しさを引き出すことができます。生食も可能ですが、刺身として食べる機会は比較的少なく、地域によっては珍重されることもあります。また、寿司にする場合は、酢じめしたカマスを使った棒寿司が一般的です。
ヤマトカマスの独特な特性
ヤマトカマスは「水カマス」とも呼ばれ、他の魚と比べて水分量が多いことで知られています。しかし、これがまずいというわけではなく、実は豊かな旨味と甘みを持っています。特に脂がのった旬の時期には、その味わいは一層深まります。
旬を迎えるカマスの美味しさ
カマスの旬は年に2回、夏と秋に訪れます。種類によって異なる旬を持ち、ヤマトカマスは夏が、アカカマスは秋が旬です。特に8月から秋にかけては、脂がのったカマスが市場に出回り、その甘みと芳醇な味わいを楽しむことができます。
カマスの調理法の多様性
旬のカマスは、その脂の乗りと味わいの深さから、さまざまな調理法で楽しむことができます。干物にすることで、特有の水っぽさを抑え、身を引き締めることが可能です。また、塩焼きや素揚げなど、シンプルな調理法でもその美味しさを堪能することができるでしょう。
カマスを使ったおすすめレシピ
春の訪れとともに、食卓も新鮮な風を取り入れたいものです。今回は、春らしい軽やかさと、深い味わいを兼ね備えた二つの料理、「豆腐と野菜の蒸し物」と「にんにく風味のかます焼き」をご紹介します。
豆腐と野菜の蒸し物
材料(4人前)
- 豆腐(木綿)…1丁
- きくらげ(水で戻す)…4枚
- にんじん…少々
- ぎんなん(ゆでる)…8個
- しょうが(すりおろす)…適宜
- 塩、酒、薄口しょうゆ、砂糖、かたくり粉
作り方
- まず、豆腐はくずして熱湯でサッとゆで、水気を絞ります。きくらげ、にんじんはせん切り、ぎんなんは輪切りにします。
- 豆腐に卵白、塩、薄口しょうゆ、砂糖、かたくり粉を混ぜ、野菜を加えて8等分にします。
- かますの腹骨を取り、小骨を抜いた後、塩と酒を振り30分置きます。
- かますにかたくり粉を薄く振り、3の豆腐と野菜の混ぜ物を巻いて皿に並べ、15分蒸します。
- 銀あんを作り、蒸し上がったかますにかけ、しょうがをのせて完成です。
この料理は、春の訪れを感じさせる優しい味わいが特徴です。豆腐の柔らかさと、野菜のシャキシャキした食感が絶妙にマッチし、ほっこりとした食卓を演出します。
にんにく風味のかます焼き
材料(4人前)
- かます(小)…4匹
- にんにく…1かけ
- 粉チーズ…大さじ1
- パン粉…カップ1/2
- トマト、イタリアンパセリ、レモン…各適宜
- 塩、こしょう、小麦粉、サラダ油
作り方
- かますは三枚におろし、塩とこしょうで下味をつけます。
- にんにくとパセリをみじん切りにし、粉チーズとパン粉に混ぜます。
- かますに小麦粉を薄くまぶし、にんにくとパン粉の混ぜ物を両面にまぶします。
- フライパンに油を多めに熱し、かますを両面焼きます。
- かますを皿に盛り、トマト、イタリアンパセリ、レモンを添えて完成です。
にんにくの風味が効いたかます焼きは、パリッとした食感と深い味わいが魅力です。春の晴れた日に、この豊かな味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。