夏の定番野菜ゴーヤを美味しく食べる!苦味取りの下ごしらえ術と長期保存テクニック

夏の訪れとともに、スーパーマーケットや直売所に並び始めるゴーヤ。独特の苦味と鮮やかな緑色が特徴的なこの野菜は、沖縄料理の代表格として知られていますが、今では日本全国で親しまれる夏野菜となりました。しかし、その特有の苦味から「ちょっと苦手」という声も少なくありません。

実はゴーヤは、正式には「ツルレイシ」という名前を持つウリ科の植物です。沖縄では「ゴーヤー」と呼ばれ、本土では「にがうり」の名前でも親しまれています。この野菜が日本に伝わったのは江戸時代とされており、当初は観賞用として栽培されていました。食用として本格的に普及したのは、第二次世界大戦後の沖縄からです。沖縄の長寿食文化の象徴として注目を集め、やがて全国へと広まっていきました。

今回は、そんなゴーヤの苦味を上手にコントロールする下ごしらえのコツと、収穫したゴーヤを無駄なく使い切るための保存方法、そして便利な調理器具や保存容器についてご紹介します。夏の食卓を豊かにする知恵を、たっぷりとお伝えしていきます。

苦味を和らげる下ごしらえの基本テクニック

ワタと種を完全に取り除くのがポイント

ゴーヤの下ごしらえで最も重要なのは、ワタと種をしっかりと取り除くことです。まず、ゴーヤを縦半分に切り、スプーンを使って種とワタを丁寧にこそげ取ります。このとき、ワタの白い部分が残らないよう、少し深めにスプーンを入れるのがコツです。ただし、あまり深く削りすぎると果肉まで取れてしまうので、適度な力加減が大切です。

種とワタを取り除いたら、好みの厚さにスライスします。薄切りにするほど苦味が抜けやすくなりますが、食感も失われやすくなります。一般的には2〜3ミリ程度の厚さが、苦味の軽減と食感のバランスが良いとされています。

塩もみで苦味成分を引き出す

スライスしたゴーヤに塩をまぶして揉み込む「塩もみ」は、昔から伝わる伝統的な下処理方法です。ゴーヤ1本に対して小さじ1程度の塩を使い、全体になじませたら15〜30分ほど置きます。すると、ゴーヤから水分とともに苦味成分が浸出してきます。

時間が経ったら、流水でしっかりと洗い流し、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。この方法は、苦味を和らげながらも、ゴーヤのシャキシャキとした食感を保つことができる優れた技法です。塩もみの時間を長くするほど苦味は抜けますが、同時に歯ごたえも失われていくので、お好みで調整してください。

熱湯処理で効果的に苦味も取り除く

モモルデシンが水溶性であることを利用した、もう一つの効果的な方法が熱湯処理です。沸騰したお湯にスライスしたゴーヤを入れ、サッと湯通しするだけで、かなりの苦味を取り除くことができます。湯通しの時間は30秒から1分程度が目安です。

より確実に苦味を取りたい場合は、2〜3分の下茹でをおすすめします。ただし、茹ですぎると色が悪くなり、せっかくの食感も損なわれてしまうので注意が必要です。茹で上がったら、すぐに冷水に取って色止めをすることで、鮮やかな緑色を保つことができます。

ゴーヤの賢い保存方法で夏を乗り切る

常温保存の限界と注意点

収穫したてのゴーヤは、気温が25℃以下であれば2〜3日程度は常温保存が可能です。ただし、風通しの良い涼しい場所に置くことが条件となります。新聞紙に包んで野菜かごに入れておくと、適度な湿度を保ちながら保存できます。

しかし、真夏の気温が28℃を超える環境では、ゴーヤの追熟が急速に進みます。緑色だった果肉が黄色く変色し始め、種の周りが赤くなってきます。この状態になると苦味は減りますが、独特の食感も失われてしまいます。そのため、夏場の常温保存は避け、できるだけ早めに冷蔵または冷凍保存に切り替えることをおすすめします。

冷蔵保存で1週間以上の鮮度キープ

冷蔵保存の最大のポイントは、傷みやすい種とワタを事前に取り除いておくことです。この下処理をしておくだけで、保存期間が格段に延びます。

まず、ゴーヤを縦半分に切って種とワタを完全に取り除きます。切り口にキッチンペーパーを当て、その上からラップでぴっちりと包みます。このとき、空気が入らないようにすることが大切です。保存する際は、切り口を下にして野菜室に入れます。この方法で約1週間から10日間は新鮮な状態を保つことができます。

野菜室の温度は通常3〜8℃に設定されており、ゴーヤの保存に最適な環境です。冷蔵室よりも湿度が高く保たれているため、野菜の乾燥を防ぐことができます。

冷凍保存で1ヶ月の長期保存を実現

大量のゴーヤを手に入れたときは、冷凍保存が最も効果的です。下処理をきちんと行えば、約1ヶ月間は品質を保ったまま保存できます。

冷凍保存の手順は以下の通りです。まず、ゴーヤを縦半分に切り、種とワタを取り除きます。次に、調理に使いやすい厚さ(2〜3ミリ程度)にスライスし、1分ほど水にさらします。水気をキッチンペーパーでしっかりと拭き取り、使用する分量ごとに小分けして冷凍用保存袋に入れます。このとき、できるだけ平らに並べて、空気を抜いてから密封することが重要です。

苦味が苦手な方は、塩もみや下茹でをしてから冷凍すると良いでしょう。解凍せずにそのまま調理に使えるので、忙しい朝のお弁当作りにも重宝します。炒め物やスープに入れる場合は、凍ったまま鍋やフライパンに投入できるので大変便利です。

冷凍保存に最適な厚手のフリーザーバッグ。ダブルジッパーでしっかり密閉し、冷凍焼けを防ぎます。Mサイズは切ったゴーヤの保存にぴったりのサイズです。

プロが使う保存容器の選び方

ガラス製保存容器のメリット

近年、プラスチック製から耐熱ガラス製の保存容器に切り替える家庭が増えています。ガラス製容器の最大の利点は、においや色が移りにくいことです。ゴーヤのような個性的な野菜を保存しても、容器に臭いが残る心配がありません。

また、耐熱ガラス製なら、冷蔵・冷凍保存はもちろん、電子レンジでの加熱や食器洗浄機での洗浄も可能です。下ごしらえしたゴーヤを保存し、そのまま電子レンジで解凍・加熱できるので、調理の手間が大幅に削減されます。透明なので中身が一目で分かり、在庫管理もしやすくなります。

電子レンジ、食器洗浄機、熱湯消毒に対応した万能保存容器。四角い形状で冷蔵庫内のスペースを有効活用でき、6個セットなので作り置きの保存に最適です。

サイズ別保存容器の使い分けテクニック

保存容器は、用途に応じてサイズを使い分けることが大切です。下ごしらえしたゴーヤの保存には、以下のような使い分けがおすすめです。

容器サイズ用途保存量の目安200ml以下薬味用・お弁当用ゴーヤ1/4本分300〜500ml1〜2人分の副菜ゴーヤ1/2〜1本分600ml〜1L作り置き・家族分ゴーヤ2〜3本分1L以上大量保存・漬物用ゴーヤ4本以上

小さめの容器は、一人暮らしや少人数家族に便利です。お弁当のおかず用に小分けしておけば、朝の準備時間を短縮できます。大きめの容器は、週末にまとめて下ごしらえする際に活躍します。

サイズの異なる4つの容器がセットになった便利な保存容器。積み重ね可能で省スペース。フタをしたまま電子レンジ使用可能な優れものです。

ゴーヤを使ったおすすめレシピ

ゴーヤと鶏もも肉の炒め
ゴーヤは両端を切り落としてから縦半分に割り、中のワタをスプーンで取り除いてから調理に使います。薄く切れば苦みもそこまで気になりません。
ゴーヤとツナの混ぜ寿司
ご飯が熱い状態で具を混ぜ込むと食中毒の原因となってしまうため、ご飯は冷ましたものを使ってください。
ゴーヤと枝豆の夏そうめん
だしにそうめんを入れて、煮含めるイメージで作りましょう。温かいままでも冷やしてもおいしく食べられる一品です。
本レシピでご紹介している材料について、こちらのページもご参考にしてみてください。[blogcard url="/recipe/449/"]

まとめ

ゴーヤは、その独特の苦味から好き嫌いが分かれる野菜ですが、適切な下ごしらえと保存方法を知ることで、誰でも美味しく楽しむことができます。種とワタの除去、塩もみ、熱湯処理などの基本的な下処理をマスターすれば、苦味をコントロールしながら、ゴーヤ本来の美味しさを引き出すことができます。

保存方法も、常温・冷蔵・冷凍とそれぞれの特徴を理解して使い分けることで、ゴーヤを無駄なく活用できます。


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