11月1日は紅茶の日。読書週間に楽しむ、英国式のお茶時間とスコーンの焼き方

11月1日は紅茶の日です。今年は日曜日にあたり、しかも前日の10月27日から読書週間が始まっています。本を片手に、ゆっくり紅茶を淹れる。そんな秋の夜長にぴったりの巡り合わせです。

今回は、紅茶の日の由来と紅茶の旅路をたどりながら、おいしい淹れ方、ミルクティーのコツ、そして英国の定番であるスコーンを「ホテルスタイル」と「ホームメイドスタイル」の違いから焼き分ける方法まで、ひとつの記事にまとめました。お気に入りの器や茶葉選びの参考にもしてみてください。

紅茶の日と読書週間が重なる秋のお茶時間

11月1日が紅茶の日になった理由

紅茶の日の由来は、江戸時代の1791年11月1日にさかのぼります。漂流の末にロシアへ渡った日本人の船頭が、現地の宮廷で皇帝から紅茶をふるまわれた日とされています。日本人が正式な場で紅茶を口にした記録として語り継がれており、この日が紅茶の日として親しまれるようになりました。

読書週間は秋の夜長のための2週間

読書週間は、戦後間もない時期に「読書の力で平和な文化国家をつくろう」という思いから始まった行事で、文化の日を挟む約2週間が期間です。今年は10月27日から11月9日まで。日が短くなり、夜に温かい飲み物が恋しくなるこの季節、紅茶と本はとても相性のよい組み合わせです。

紅茶はどこから来たのか

中国で生まれ、ヨーロッパへ渡った茶

紅茶も緑茶も、もとは同じ茶の木の葉から作られます。違いは製造工程にあり、葉をしっかり発酵させたものが紅茶です。発祥は中国で、17世紀の初めに海を渡る貿易船によってヨーロッパへ運ばれました。

英国に紅茶の習慣が根づいたのは17世紀後半です。ポルトガルから嫁いだ王妃が宮廷でお茶を楽しんだことから、貴族の間で広まったと伝えられています。当初は非常に高価な嗜好品でしたが、のちに植民地での栽培が広がり、庶民の暮らしにも届くようになりました。

アフタヌーンティーの誕生

19世紀の半ば、夕食が遅い時間になった英国の上流社会で、ある公爵夫人が空腹をしのぐために午後にお茶と軽食を取り寄せたのが、アフタヌーンティーの始まりとされています。やがて友人を招いて楽しむ社交の場となり、サンドイッチ、スコーン、ケーキを三段のスタンドに並べるスタイルが定着しました。

茶葉の種類を知ると選ぶのが楽しくなる

紅茶は産地や茶葉の加工方法によって、香りも味わいも大きく変わります。代表的なものを表にまとめました。

kinds主な産地Featuresおすすめの飲み方
ダージリンインド北東部軽やかで華やかな香り。秋摘みは落ち着いた深みがあるストレート
アッサムインド北東部力強くコクのある味わい。細かい茶葉(CTC)は短時間で濃く出るミルクティー
ウバSri Lanka爽やかな香りと渋みが特徴ストレート、ミルクティー
キーマンChina独特の甘い香りが穏やかストレート
イングリッシュブレックファスト複数産地のブレンドしっかりした味わいで、ミルクとよく合うミルクティー、ストレート

ダージリンは春摘み、夏摘み、秋摘みで表情が変わります。秋摘みは「オータムナル」と呼ばれ、まろやかで落ち着いた味わいが秋の夜にふさわしい一杯です。

英国の朝を支えるイングリッシュブレックファスト

イングリッシュブレックファストは、その名のとおり英国の朝食に合わせて生まれたブレンドで、ミルクを加えても負けないしっかりした味わいが持ち味です。毎日気軽に飲めるので、ティーバッグで常備しておくと便利です。

ミントグリーンの缶にアンティークのティーポットやティーカップが描かれた、エンボス加工入りの紅茶缶です。中身はイングリッシュブレックファストのティーバッグ40包。ギフトにも、自分用のティータイムにもおすすめです。
英国らしいユニオンジャック柄をヴィンテージ調に仕上げた、エンボス加工入りの紅茶缶です。中身はイングリッシュブレックファストのティーバッグ40包。飲み終えたあとは小物入れとしても使えます。

贈り物にも映える高級ティーバッグ

読書週間の差し入れや、紅茶の日のちょっとした贈り物には、紙袋付きでラッピング済みのギフトも便利です。ティーバッグなら、相手を選ばず気軽に渡せます。

紙袋付きでラッピング済みの高級紅茶ギフトです。ティーバッグ15個入りで、贈答用やプレゼントに向いています。自分へのご褒美の一箱にもどうぞ。

基本の紅茶をおいしく淹れる

特別な道具がなくても、ポイントを押さえるだけで紅茶の香りは見違えます。

淹れ方の手順

  1. ポットとカップを、先にお湯で温めておきます。
  2. 水は汲みたての新鮮なものを使い、しっかり沸騰させます。
  3. 茶葉(ティーバッグ1包)に対して、カップ1杯分のお湯を目安に注ぎます。
  4. すぐにふたをして蒸らします。時間は茶葉の大きさで変わり、細かい茶葉やティーバッグなら2〜3分、大きな茶葉なら3〜4分が目安です。パッケージの表示があればそれに従ってください。
  5. ティーバッグは、ゆすったり絞ったりせず、静かに引き上げます。

沸騰したてのお湯が大切な理由

紅茶は、高い温度のお湯を注ぐと茶葉が踊るように開き、香りが引き立ちます。ぬるいお湯だとうまく開かず、味がぼんやりしがちです。電気ケトルを使う場合も、沸騰してすぐに注ぐのがコツです。やけどには十分に気をつけてください。

ミルクティーのコツ

ミルクティーは、強めに濃く出した紅茶に温めた牛乳を合わせると、味がぼやけにくくなります。アッサムやイングリッシュブレックファストのように、コクのある茶葉が向いています。

なお、カップに先にミルクを入れるか、後から注ぐかは、英国でも長く議論になるテーマです。先に入れる派はカップが割れにくかった名残という説もありますが、どちらが正解ということはありません。ぜひ両方を試して、好みの順番を見つけてみてください。

紅茶時間を引き立てる器

同じ紅茶でも、器が変わると不思議と味わいの印象が変わります。お気に入りの一客があると、読書の時間がぐっと特別になります。

毎日使いたい英国の陶器マグ

英国の窯元には、伝統的な転写技法で絵柄を施す工房があります。青い絵柄が美しいキャリコシリーズのマグカップは、たっぷり入るので読書のお供にぴったりです。電子レンジや食器洗い機の可否は商品ページで確認してから使ってください。

英国製の陶器マグカップです。ブルーの絵柄が上品で、たっぷり使えるサイズ感。ミルクティーやコーヒーを楽しむ読書のお供におすすめです。

特別な日のためのティーカップ&ソーサー

紅茶の日を、少しあらたまって過ごしたい。そんな日には、名窯のカップ&ソーサーを出してみませんか。英国を代表する陶磁器ブランドは、18世紀後半に創設者がつくった最初のパターンブックにも載っていたという、野いちごの図案を今に伝えています。ペアのギフトセットなので、大切な人と向かい合って紅茶を飲む時間にもよさそうです。

英国の初夏に咲く野いちごを描いた、ウェッジウッドの定番柄のペアギフトセットです。1759年創業の名窯が手がける、贈り物にも自分へのご褒美にも向く上質なティーウェアです。

紅茶のお供にスコーン、ホテルスタイルとホームメイドスタイル

アフタヌーンティーに欠かせないスコーンは、スコットランド発祥とされる素朴な焼き菓子です。名前の由来には諸説ありますが、英国では家庭でも気軽に焼かれ、地域ごとに食べ方が語られてきました。

日本では、スコーンの焼き上がりに大きく分けて二つのスタイルがあります。

二つのスタイルの違い

ホテルスタイルホームメイドスタイル
見た目背が高くきれいな円柱形。側面に横の割れ目が入る少し平たく、形はやや不揃い
食感しっとりふんわりほろっとして、ざくざくした軽さ
How to make it型で真っすぐ抜く手でまとめて切り分ける、または丸める
向く食べ方クリームとジャムをたっぷりそのままバターを塗って

ホテルスタイルの秘密は「割れ目」にあり

ホテルのアフタヌーンティーで見かける、側面にぐるりと入った横の割れ目。英国では「狼の口」と呼ばれることもあります。この割れ目を出すコツは、次の4つです。

  1. バターは冷たいまま使い、粉に混ぜるときは手の熱が移らないよう手早く行います。
  2. 生地をこねずに、折りたたんで重ねます。粉っぽさが残るくらいで止めるのが目安です。
  3. 型は押し込んだら、ひねらずに真っすぐ引き抜きます。ひねると断面がふさがり、横に膨らみません。
  4. 表面に卵液を塗るとき、側面にたれないように注意します。卵液が側面を固めると、膨らみが妨げられます。

基本のスコーンの作り方(直径5.5cmの型で約6個分)

材料は、薄力粉200g、ベーキングパウダー8g、砂糖30g、塩ひとつまみ、無塩バター50g、卵と牛乳を合わせて90mlです。表面用に溶き卵を少量用意します。

  1. 薄力粉、ベーキングパウダー、砂糖、塩をボウルに入れて混ぜ、冷たい角切りのバターを加えます。指先ですり合わせるようにして、砂のようにさらさらの状態にします。
  2. 卵と牛乳を合わせた液体を一度に加え、カードで切るように混ぜ、ひとまとまりにします。
  3. 打ち粉をした台に出して、半分に折って重ねる作業を3回ほど繰り返し、2.5cmほどの厚みにのばします。
  4. 型を真っすぐ押して抜き、天板に並べて表面だけに溶き卵を塗ります。
  1. 200℃に予熱したオーブンに入れ、190℃に下げて15〜18分焼きます。焼き色がついたらできあがりです。
丸い縁と波型の縁の両方が使えるステンレス製の抜き型です。直径6cmで、スコーンやクッキーの型抜きに使えます。ホテル風の丸型にも、ホームメイド風のギザギザした縁にも仕上げられます。

ホームメイドスタイルにしたいときは、型を使わず、生地を円形にのばして放射状に切り分けます。形がでこぼこしますが、そこが手作りらしい魅力です。

買っておけば当日すぐ楽しめるスコーン

焼く時間がない日は、紅茶とコーヒーの専門店が手がける手作りスコーンが便利です。商品はプレーンの5個入りで、冷蔵保存、賞味期限は出荷日を含めて6日間です。オーブントースターで2〜3分温めると、外はさっくり、中はふんわりと仕上がります。

英国伝統のスコーンを再現した、プレーンの5個入り。味が主張しすぎず、紅茶やコーヒーの引き立て役にぴったりです。冷蔵保存で、オーブントースターで2〜3分温めて食べます。

クロテッドクリームとジャム、どちらを先に塗る?

スコーンの食べ方で必ず話題になるのが、ジャムとクリームの順番です。

コーンウォール流とデヴォン流

英国南西部のコーンウォール州では、温めたスコーンにジャムを先に塗り、その上にクロテッドクリームをのせる「ジャムファースト」が伝統的なスタイルとされています。隣のデヴォン州ではクリームを先に塗り、その上にジャムをのせる「クリームファースト」が主流と言われ、どちらもクロテッドクリームの名産地であるだけに、自分たちの食べ方こそが正統だと譲らず、長く論争が続いてきました。

コーンウォール流デヴォン流
順番ジャムが先、クリームが後クリームが先、ジャムが後
見た目白いクリームが一番上にのる赤いジャムが一番上にのる
由来とされる説昔はスコーンの代わりに「スプリット」と呼ばれる柔らかいパン生地が食べられ、柔らかい生地にはジャムを先に塗るほうが塗りやすかったスコーンがしっかり硬めに焼かれていたため、バターのようにクリームを先に塗りやすかった

皇太子もラジオで好みを明かしたほどの論争

この論争は英国で国民的な話題で、ついに王室にまで及びました。今年の夏には、英国王室の皇太子が朝のラジオ番組に出演し、スコーンの好みの食べ方を明かしたと報じられました。「祖母である先代の女王から学んだ食べ方」だというのが、その理由です。先代の女王はコーンウォール式のジャムファーストだったと伝えられていて、長く続いた論争に区切りがついたのでは、と話題を呼びました。

とはいえ、どちらが間違いということはなく、英国でも好みの問題として楽しまれています。ご自宅では、気分で順番を変えて食べ比べてみるのがおすすめです。どちらにしても、スコーンを横に半分に割り、塗る分だけ手でちぎりながら食べるのが、英国のお茶の楽しみ方です。

本場の味、クロテッドクリーム

クロテッドクリームは、乳脂肪分の多い生乳を低温でじっくり加熱して作られます。表面に「クラスト」と呼ばれる黄金色の膜ができ、濃厚でありながら軽やかな口当たりになるのが特徴です。バターと生クリームの中間のような存在で、スコーンに添えると一気に本格的なアフタヌーンティーの雰囲気になります。

今回ご紹介するのは、1890年に英国コーンウォール地方で創業した老舗乳製品メーカーのもので、生乳100%、113gの使い切りやすいサイズです。保存方法や賞味期限は商品ページでご確認ください。

英国コーンウォール地方で1890年に創業した老舗乳製品メーカー、Roddas(ロダス)社のクロテッドクリームです。生乳100%で作られ、濃厚でシルキーな味わいが特徴。温めたスコーンにジャムとともにどうぞ。

スコーンの世界をもっと知るための一冊

自分でスコーンを焼いてみたくなったら、レシピ本を手元に置いておくと楽しみが広がります。英国文化に詳しい書き手が、スコーンを「いちばん愛される英国菓子」として紹介した一冊で、15の「とっておきレシピ」が収められています。基本の焼き方に加え、英国のお茶文化の背景も読み物として楽しめるので、読書週間のお供としてもふさわしい本です。

英国のお茶文化に詳しい著者が紹介する、スコーンのレシピ本。15人のとっておきレシピを収録しています。英国文化への案内としても楽しめる一冊です。

紅茶の日の過ごし方、まとめ

11月1日、紅茶の日の午後の例です。

  • 午後の早い時間に、スコーンを焼くか、買ってきたスコーンを温めます。
  • ポットとカップを温め、沸騰したお湯でゆっくり紅茶を蒸らします。
  • ジャム、クロテッドクリームを添えて、お気に入りの器でいただきます。
  • 食後は、読書週間に合わせて手に取りたかった一冊を、もう少しだけ。

紅茶の缶とティーバッグの保存

茶葉やティーバッグは、湿気と香りの強いものを避けて、缶や密閉できる容器で保存するのが基本です。使いかけは開封後できるだけ早めに使い切ると、香りよく楽しめます。

Conclusion

紅茶は、もとをたどると遠い中国の山あいで生まれ、海を渡り、英国で育てられ、江戸時代の日本にもたどり着いた飲み物です。そんな旅路を思いながら飲む一杯は、いつもより少し味わい深く感じられるかもしれません。

11月1日の紅茶の日、そして読書週間。本とスコーンと紅茶で、秋の夜長を静かに楽しんでください。

次の週末は11月7日の立冬です。鍋の季節が始まります。そちらの話題もまたお届けしますので、お楽しみに。


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